ふたご王子に恋をした
「まぁ、確かにそうだね…」


そう言って一口水を飲むと、浅くため息をついた。



「………真美のこと、なんだけど。」



その話が聞きたかったハズなのに、旭の口からその言葉が出るとなんだか聞きたくなくなってしまった。





あたし、ヘタレだ。




「正直、過去のことだし麻衣に話すつもりはなかったんだけど…中途半端に聞いたらやっぱ気になるでしょ?」



旭の問い掛けにあたしは黙って頷いた。



「じゃあ今から話すのは俺の過去の話として…軽い気持ちで聞いてくれていいから…」


「うん…」






そうは言ったけど軽く聞き流すだけの余裕なんてあたしにはなかった。




コップに入った水に目を落とし、耳を傾けた。



< 309 / 389 >

この作品をシェア

pagetop