ふたご王子に恋をした
「ヒナ…あたしね、旭のこと好きなんだ。旭はどう思ってるかなぁ…」
今さらそんな真美のセリフを思い出す。
どう思ってんのかなって…好きに決まってんだろ。
見てりゃわかる。
お前って本当ニブいんだな。
だけど、お前がおめでたいほど鈍感で良かった。
俺の気持ちに気付いてなくて良かった。
だから俺はいくらでも言える。
大丈夫だ
頑張れよ
って、
いくらだって応援できる。
お前が好きになったヤツが俺の身内なのは皮肉なことだが、逆にアイツだから許せる。
アイツはお前を悲しませるようなことは絶対しないから、そのへんのわけわかんないヤツを好きになられるより数倍マシだ。
もしもアイツがお前を泣かせるようなことをしたら俺がぶっ飛ばしてやるから、お前は安心してアイツを好きでいればいい。
好きだから、
お前には一番いい笑顔で、
いてほしいんだ。