ふたご王子に恋をした
「そうかなぁ…?」



あたしの言葉に紗結ちゃんの顔が少しだけ明るくなった。


「そうそう!あたしだって未だに彼氏の考えてること全っ然わかんないよ?」



それもそれでどうなんだろう…


いいのか千夏!





「……あれ?麻衣、お迎えがきたよ。」



「なに…救急車でも通った?」



「いやいやボケてんじゃなくて、マジで!」



千夏があたしの遥か後ろにあるドアを指差して言った。



迎え?



ゆっくりと振り返ると、ドアの前に旭が突っ立ってキョロキョロしていた。



「アンタのこと探してんじゃん?」


「…え、そうなの?」


半信半疑で旭を見つめていると視線に気付き、手を挙げた。



ほんとだ…



「一緒帰ってやんなよ。」


「え!?でも勉強が…」


「いや確実にやる気なかったよね?勉強道具何も出てねーし。」



「う…っ」



千夏に痛いトコロをつかれ思わず黙る。


「…じゃ、ごめん、先に帰ります。」


「帰れ帰れ。」


「ヒドっ!」



「じゃあ麻衣ちゃん勉強頑張ってね♪」


「はぁ~い。」


やる気ない返事をして2人と別れると、相変わらず派手な旭の元へ向かう。


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