ふたご王子に恋をした
学校を出ると、外は北風が強くて、髪の毛がものの数秒でぐちゃぐちゃになった。





「寒ッ!!」


「そりゃ冬ですから…」


「…なんか今日の麻衣のツッコミあっさりしてんね。」


「そう?」


「やけくそって感じ。」


「そうかなぁ…。」



ブレザーのポッケに両手を突っ込んで歩く。


「テスト前になんだけど…今日ヒマ?」


「え、まぁ…」


「じゃあウチおいでよ♪」



旭んち……


て、ことは…


陽もいるんだよね…。





「……うーん。」




「…ヒナなら大丈夫だよ☆今日は急遽サッカーのバイト入ったみたいで、8時くらいにならないと帰ってこないから。」





まるであたしの気持ちを読んだかのように旭は優しく笑って答えた。



もしかして旭…



あたしが陽のことで悩んでるって、



気付いてる?


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