ふたご王子に恋をした

「麻衣は………ヒナのことが好きなんだね…。」




旭の言葉にハッとした。



旭はあたしのことを好きでいてくれるのに、あたし…こんな話して…


旭の気持ち全然考えてなかった。




まだ旭に自分の気持ち伝えてないのに陽の話して…



あたし、最低だ。




「……ごめん、旭。あたし最低だよ。」


「……どうして？」


「旭の気持ち全然考えずに陽の話した…ごめん。」



「謝んないで？」




自分の情けなさに思わず肩が小さく震える。


「俺、いっつも麻衣に自分の気持ち押しつけてた。それで満足してて…肝心な麻衣の気持ち、ちゃんと聞いてなかったよね…麻衣は、どう思ってるか聞かせてほしい。」




あたしは…





「……あたしは、旭のこと大好きだよ。


だけど…それは恋愛の好きとはまた違うみたい…


あたしにとっての、


初めてのキスも


初めての告白も


旭だったから、


旭は特別なんだ。


特別で大切だと思ったら、


違う好きに変わってた。

今の友達以上恋人未満の関係があたしには心地よくて、幸せだよ。」