ふたご王子に恋をした
……………ん!?



ミルクティーが売ってる自販機の前へ行こうとすると、そこには見覚えのある“ヤツ”が立っていた。


長身、黒髪でイケメン、あのヘッドフォン、かったるそうな立ち方…



まさしく、屋上のアイツ!



あたしのガン見に気付いたのかそいつがこっちに顔を向けた。



「……あ。」


見られた!


そいつは無表情のままズカズカとあたしに近付いてくる。



なに!
なにかまだ文句でもあんの!?



来るなら来い!と言わんばかりに身構えたあたしの横をそいつは通過………




………え!?
通過!?



「おいっ。」


「うわ!ビックリしたー。何してんのお前。」



通過したそいつはあたしではなく旭に声をかけている。



「つーか財布忘れた。金貸せ。」


「ったく。ちゃんと返せよー。」



………………………



これは……


この流れはまさに……


認めたくないけど…まさに!



「あ、そうだ!麻衣!紹介すんね、これが弟の陽。」




キタ―――――!!
やっぱりそういうことだよね!



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