ふたご王子に恋をした
*ふたご王子に恋をした
「麻衣ちゃーん、ゴハン食べないのー?寝てるー?冷めちゃうよー?」
「今行くー…」
本当はずっと目が覚めてた。
眠れなくて、
頭からすっぽり布団をかぶってたら、あっという間に朝になってた。
ゴハンなんて食べたくない。
気持ちはね、そういう気持ち。
少女マンガならさ、食べたくないって言って食べずにいるところだけど、
なんであたしのお腹はこんなに規則正しく減るんだろう…
恋に悩んだって、食欲はある。
花より団子ってこういうこと?
寝不足で重い頭と身体をゆっくりと布団から起こす。
なんて清々しい土曜日なんだ…
こんなに清々しいと嫌味かと思う。
……昨日は勢いであんなこと、
言っちゃったけど
なんてロマンチックじゃない告白なんだ。
殴って、告白なんて、
聞いたことないし。
捨てゼリフが「思い知れ」って…
どんな告白やねん。
陽…ビックリしてたな。
当たり前か。
目をゴシゴシこすり、リビングに行く。
テーブルに並べられたゴハンがますます食欲をそそる。