ふたご王子に恋をした
「いただきまーす……」



………うまい。
やっぱりうまい。
ゴハンって大事だな。



「……あれ?麻衣ちゃん…その手、どうしたの!?」



「えー……?わっ!なにコレ!」



お母さんに指さされた右手の甲を確認する。


出っ張っている骨のあたりが青紫色になっていた。


昨日陽を殴ったときのヤツ、か…



青アザになるって…どんだけだよ!


確かに…力に任せて思い切り殴ったケド…



陽の顔にアザとか…残ってたらどうしよう…


傷害罪じゃん。


気になるから様子を見に行きたいけど…


気まずい…



どんな顔して会えばいいのかわかんないよ…



「姉貴ー。さっきからケータイ鳴りっぱなしー。うっせーから早く出てくんない?」


歯を磨きながら廊下をうろついていた遼がリビングに顔を出して言った。



「部屋行くのめんどくさい。うるさいと思うならアンタがケータイ持ってきて。」


「なんか理不尽じゃねー?」



そう言いながらも部屋にあったケータイを持ってくると、あたしに投げ付けた。


「こら!落ちたら壊れるでしょーが!」


「持ってきてやったのにうるせぇなあ…」


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