ふたご王子に恋をした
「あ?」


片割れは怪訝そうな顔で振り返るとあたしを見た。


「…あぁ、アンタ、さっきの屋上の変な人。いたんだ。」




え、いやいや。
変じゃないし!
超フツーだし!

つーか、いたし!
さっきからいたし!
見えてなかったんかい!!



「つーかお前、コイツと知り合いなの?」



コイツ!?
挙句の果てにコイツ呼ばわり!?

ないないないない!
ありえないんですけどっ!



「麻衣は俺らと同じクラスの子。ヒナもお世話になるんだから今のうちに挨拶しときなよ。」


「…ムリ。」


「!?」



ムリ!?
ムリって言ったよねこの人!


「世話になる気はないし。」


片割れはあたしになんかこれっぽっちも興味がないようで、旭から借りたお金でジュースを買っていた。



「てゆーか、ヒナは知らないだろうけど麻衣はウチのおとなりさんだかんね。」


「………は?」


その言葉にヤツの動きが一瞬止まる。



「どーも!同じマンションのとなりに住んでます小泉麻衣です!」


ここぞとばかりにイラつきをあらわに嫌味ったらしく挨拶をする。

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