ふたご王子に恋をした
「ボーッと立っててもしょうがねーから、座れば。」


「う、うん…」




座ればって言っても…席は、となりなんだよね……

そう思いながら席につく。



陽との距離30センチ弱…




…き、気まずい。



あたしは気まずさに耐えられずまた桃ジュースを一口飲んだ。


…どうしよう……


と…とりあえず…



謝ったほうが…

いいよね…



殴ったこと………




頑張れあたしっ!





「あ……あの!」




「………んー?」





「こないだは………殴ったりして………ご………ごめん…なさい………」



陽の顔を見れなくて、机に目を落としていると、となりでムクッと起き上がる気配がした。





「…普通、女子はパーだろ。グーで殴るやつ、初めて見たわ。」



「それは陽の勝手な想像で!女子だって本気でキレたらグーが出る時もあるでしょーよ!」


「おかげさまで唇ちょっと切れてたけどな。お前下手したら旭より強いかもよ?」


「えっ!?」



慌てて陽の顔を見ると確かに唇の端が切れていてかさぶたになっていた。


あ…あたしとしたことが…顔に傷つけたなんて…陽ファンに殺されちゃうよ…

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