ふたご王子に恋をした
「ほ…本当ごめん!」


「別に…こんくらいすぐ治るし。それにあれは…俺が…悪かったんだし…」



そう言って目を伏せる陽。



「キスまでしといて傷つけてないは…確かに…殴られてもしょうがねぇ発言だと思うし………ごめん。」



あんまり素直に陽が謝るから、拍子抜けしてあたしは思わず笑いそうになってしまった。


「…てめぇ、人がマジメな話してるっつーのに、なに笑いこらえてんだよ。」



「こ、こらえてないし…」


「肩が震えてんだよ、アホ。」


「いたっ!ぶつことないじゃんか!」



肩にチョップを入れられ身体が一瞬傾いた。


「お前が悪い。」


「だって陽があまりにも素直だから…かわいいなと思って…プッ…」


「は!?マジムカつくわ、お前。」



不覚にも吹き出してしまったあたしの両方のほっぺたを陽が思い切りつかんで横に引っ張った。



「いたたたっ!やめれー!」





「マジムカつくけど………でも……」


「……?」













「………好きだ。」


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