ふたご王子に恋をした
「…………………」



よっしゃ、勝った!
なんかわからんけど勝った気がする!
黙らせたしっ!


心の中では完全なガッツポーズ。



「…で、だから何。」


「え!?」



予想だにしない返しに思わず後退り。



だから何…
だから何と言われるとー…そのー…だからー…



「よ…よろしくお願いしますってことだよ!」



負けたー雰囲気に飲み込まれたー。


なによろしくとか言っちゃってんの!


しかもイラついたままよろしくとか言って、すげーダサいー。


折れたー。
負けたー。



「…あっそ。」



こっちは挨拶してんのに返事はそれだけかーいっ!



片割れはジュースを取り出し口から取ると、不機嫌そうにその場から立ち去っていく。



「おいヒナー。いい加減5時間目には顔出せよ。」


「あー…考えとく。それと……学校でその呼び方すんな。ウザいんだよ。」



う、ウザいって、身内にウザいって!


何様だよ!



「…あ、あの……陽くんっていつもあんなスタンスなの?」


去って行く後ろ姿を見ながらあたしは顔をこわ張らせて旭に聞く。



「あぁ、常にあんなカンジだよ☆むしろ今日はイイ方。」

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