ふたご王子に恋をした
「もうひとりの子はなんていう名前なの?」


「市瀬陽。」


「ひなた?女の子みたいな名前なのね!カワイイ♪」


「中身は全っ然かわいくないけど……ごちそうさま!」



あたしは不満気な顔でゴハンを食べきると歯を磨いて家を出る。


エレベーターに乗り1階について外に出た途端、タイミングを見計らったように雨粒が落ちてきた。



「うわっ!超最悪だよ~!傘取りに戻らなきゃ…」



戻ってたら遅刻ギリなのに!


イライラしながらクルリと向きを変え、傘を取りに戻ろうとした瞬間……



「ぉわっ!ごめんなさい!」


誰かに思いっきりぶつかった。



「おぉ、麻衣じゃん。」


「旭っ!」



そこに立っていたのは旭。相変わらず、というか未だに学校の制服を着ていない。


今日は水色のストライプのシャツに紺色のネクタイで、旭にしてはめずらしくカッチリしている。


てゆーか、シャツだのネクタイだの着るならいい加減制服着ればいいのに。


単純にダサくて着たくないんだろうな…




「おはよー☆」


「おはよ!」


「そんなに慌ててどうした?忘れ物?」


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