ふたご王子に恋をした
「まーまー。落ち着きなってー。」


「…お前も一緒かよ。」



旭がのんびりした口調で場を和ませると、陽はムスッとしたまま先を歩いていった。



つーか、おい!
謝れよっ!
謝罪的な言葉は!?



「いったー…」


「大丈夫?」


そう言うと旭はあたしの後頭部を軽くなでなでしてくれた。


「だだ大丈夫っ!」



ひーっ!
やめてー!
ドキドキするっ!



「アイツー…たぶんコンタクトし忘れてきたな。」


「コンタクト?」


「あの人すっごい目悪いからコンタクトなんだよね。たぶんあの様子からしてつけ忘れてんな。」



確かに!

だからあたしだってわかったときギョッとしたのか。


アイツがコンタクトとは何とも意外な…

どーせゲームのやりすぎだろっ!


「俺らも行こっか。結構時間ギリだし。」


「マジ!?」


旭の腕時計で時間を確認すると、足早に学校に向かった。




――――――――――

「おはよ!」


なんとか遅刻ギリで教室に飛び込んだ。あたしたちより先に行ったハズの陽はまだ教室に来ていない様子。


ま、どーでもいいんだけど。


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