ふたご王子に恋をした
「ふっ…だっせ。」



カッチーン!


アンタのせいなんだけど!!


あたしを見ることなく鼻で笑いながらボソッと言う陽がホントに憎たらしい。


早く席替えしてくださいっ!



一通り出席を取り終えると、ツトムくんが話し始める。


「えーっと、明日なんだけど集合時間は8時でいつもより30分早いからな。あと金持って来過ぎると何か問題あったとき厄介だから最高2万まで。」



集合時間?
2万まで??


なんのこっちゃ?




「…紗結ちゃん、何の話?コレ。」


「何の話って明日の話だよ。」


「明日…?なんかあったっけ?」


「明日は遠足だよ!」


「あぁ!」



紗結ちゃんに力強く言われ、あたしの頭の片隅から記憶がポーンと飛び出した。



そうだ、遠足!



「場所は確か…遊園地だっけ?」


「そうそう☆大型バスに乗って行くんだよー。楽しみ☆」


「てか、フツー遠足って春か秋に行くよね?なんでこんな6月の半ばっていう超微妙な時期に行くんだろう…」


「たぶん混むのを避けて、あえての微妙な時期なんじゃない?」


なるほど。

確かにこんな微妙な時期に遠足行く学校少ないだろうなぁ。

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