ふたご王子に恋をした
「ホント楽しみー♪観覧車に乗りたいけど…たぶんムリだろうなぁ…」


「観覧車?乗ろうよ!」


「もしかして麻衣ちゃん知らないカンジ!?」


知らない?


「え、なに?何の話?」


紗結ちゃんに話を聞こうとした瞬間、チャイムが鳴ってホームルームが終わった。


隣りで終始、ダルそうに話を聞いていた陽も席を立って教室から出て行った。



「…で、なに?」



途切れた本題に戻る。



「あそこの遊園地の観覧車って超有名で、好きな人と一緒に乗ると両想いになるって噂があるんだよ!」


「へぇー!そうなの!?」



あたしとしたことがそんなロマンチックな噂があるなんて…知らなかった!



「乗りたかったなー……」



乗りたかった?



「…え!紗結ちゃん好きな人いるの!?」


思わず声がデカくなる。



「へっ!?いや、あのっ!ちっ、ちがくて!好きとかじゃないんだけど……」


紗結ちゃんは顔を真っ赤にして首を大きく横に振った。


かわいー☆

乙女だな!



「好きじゃないならなによ?」


「その…カッコいいなぁって…思う人はいる…よ?」

< 53 / 389 >

この作品をシェア

pagetop