ふたご王子に恋をした
「でもまだ好きとかじゃないからね!?ホントに!そもそも陽くん一緒に乗ってくれそうにないし、ウワサとか嫌いそうだし…」


「あぁ…」



それ以前に遠足とか行かなそうな気がすんだけど、ヤツ。



「て、ことで、とりあえずアンタが旭と乗ってどうなるか試してみてよ。」


「ぅぎゃ!千夏!いつからいた!?」



いつの間にか陽の席に座り、ちゃっかり話を聞いていた千夏。


怖いんだけど!
もっと早い段階で声かけてよ!



「それいいね☆試しに乗ってみてくれない?」


「ムリムリムリっ!」



あたしは慌てて両手を振る。



「なんで?」


「まず誘うのがムリだし……」


「じゃあウチらが言ってきてあげよっか?」



「ギャーッ!やめてー!余計なことしないでー!」


おもむろに席を立とうとする千夏のスカートの裾を思い切りつかむ。


んなこと言われたら恥ずかしすぎて死ぬっ!



「じゃあ自分で誘う?」


「だからそれはちょっと…ほら旭高いとこニガテかもしんないし…てゆーか、それ以前にまだ彼女いるか聞いてないし…」


「はぁ!?まだ聞いてなかったの!?なにモタモタしてんの!やっぱウチらが…」


「だあーっ!!」


だからやめろっつーの!!


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