ふたご王子に恋をした
あ、あたしの…

初チューが!



「…大丈夫?」


「………なんとか!」


旭の両腕に支えられていた身体を慌てて元の位置に戻す。



「ふーん…」


旭は人差し指をアゴに当てるとあたしの顔をジッと見た。



「…事故とはいえ、今のはチューだよね。確実にチューだよね。」


「え!?」



言う!?
それ言っちゃう!?

いや確かに流されるのも気まずいけど、ハッキリ言われるととんでもなくないハズいんですが!



「今さらだけど、麻衣って彼氏いるの?」


「い、いないけど…」


「そっか☆ならヨカッタ♪」



「ヨカッタ!?」



「フリー同士ならチューしても何も問題ないでしょ?」



いや………



そういう問題じゃないと思うんですけどっっ!!



「今度は事故じゃないちゃんとしたキスしよっか?みんなにはナイショで☆」

「い……………」



あれ?

おかしいな。

これってベタな流れだとさ、観覧車でいい雰囲気になってさ、やっぱりあたし旭のこと好きって気付くオチじゃん?


好きって気付くどころか…


ちょっと距離置きたいんですけどっっ!



旭がエロキャラだなんて………


「チューしてもいい?」


「い…やあーっ!」



誰かウソだと言ってー!!


こんだけ引っ張っといて、こんなオチだなんて…


しょうもな!




市瀬双子は弟だけでなく、兄貴も問題児でした。


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