ふたご王子に恋をした
「ねぇ、アンタさっきから食ってばっかだけど話聞いてる!?」


サンドイッチをガツガツと頬張るあたしを千夏が呆れたように見た。


「聞いてるってば~。で、なんの話よ?」



『聞いてないじゃん!』



声を揃える2人。



「だから~、陽って群れるの嫌いなのかなって話。」


「あぁ…」



なんだそんな話か。


正直どうでもいい話だった。



「陽くんが笑ったとこ見たことないし。」




………そう言われてみればそうだな。


アイツが爆笑する姿とかまず想像がつかない。


笑っても「ヘッ」と人を見下した笑いしか見たことないし。


あれ、すげー腹立つし!


今を楽しまなきゃ損な男子高校生があんなんでいーのかなぁ?


つーかアイツって毎日をちゃんと楽しんでるんだろうか…




「なんか影があるよね、陽は。旭があんなおチャラけたキャラだけに余計クールさが際立つ。」



「またそこがカッコいいんだけどねー☆ミステリアスってカンジ♪」



ミステリアスねぇ…


謎が多いほど魅力を感じるってやつ?


まるでうわの空な紗結ちゃんの横であたしはまたサンドイッチを頬張った。


< 79 / 389 >

この作品をシェア

pagetop