ふたご王子に恋をした
「そんなことより、俺は麻衣が心配だよ!」


「なになになに!怖いっつーの!」


真後ろにいた旭は、ものすごい速さで前に出ると恐ろしい形相であたしの両肩をガッツリつかんだ。


何なのアンタ!
近いし!



「だって15点だよ?ヤバいレベルとっくに越えてますよ、重症ですよ!」



「結構ムカつくこと言うね。」


「補習ですめばいいけど…まさかの展開で麻衣が留年だったら…俺泣いちゃうよ!」


「あぁ、そう。」



なぜお前が泣く!



「て、ことで今日からテストまで一緒に勉強しよ!」


「はー!普通にやなんだけど。遠慮しとく!」


「あーあー。15点のヤツが何、生意気なこと言ってんの!?せっかく教えてくれるって言ってんだから素直に教わっとけ!」


千夏に後ろから背中をバシバシと叩かれ、むせ返った。


「千夏はどうせ何かオモシロイ展開にならないか期待してるだけでしょ。」


「お☆よく分かってんじゃん♪」


「図星かーいっ!」




“オモシロイ展開”って…あたしはそんなの期待してないしっ!


< 83 / 389 >

この作品をシェア

pagetop