ふたご王子に恋をした
「じゃあ決まりね☆数学は陽の方がちょっと得意だから頼んどくし!」


「え、いや、あたし…まだやるとか言ってないんだけ………」


「そうと決まったら今すぐ始めないと!さ、行くよ!」


「ちょ…えー!?」




人の話聞けっつーの!


つーか…


行くって、どこに!?



――――――――――

「いらっしゃいませ☆」


「いらっしゃいって……自宅じゃん!」



旭に連れて来られたのは、見慣れたマンション、そしていつも素通りする部屋の前…


市瀬宅!



いやいや!
アンタんち行くなら帰るし!


となりだし!



「だってほかにゆっくり勉強できるとこないんだもん。」


「いや、あるでしょ!図書館とかファーストフードとかさ!」


「でも図書館だと静かにしなきゃだし、かと言ってファーストフードはガヤガヤうるさくて集中できないし、つまりちょうど真ん中が俺んちってこと☆」


「全っ然真ん中じゃないと思うんだけど!」


どうしたらそれが真ん中になるのさ!


「まーまー細かいことは気にしないで☆はい、どうぞ。入って♪」



半ば強引気味に家の中に押し込まれる。



だからあたしまだ入るとか言ってないってば!


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