ふたご王子に恋をした
「それ飲んだらすぐ勉強始めるよ。」


「え!?」


「参考書取ってこよーっと。」



勉強するってマジだったのか…

旭のことだからそう言いつつ遊ぶっていうつまんないウソだと思ってたんだけど…


自分の部屋らしき場所に向かった旭を目で追う。


あ、あそこの部屋。


ウチだとお父さんとお母さんの部屋だ。


あそこを丸々ひとりで使えるなんてうらやましいな。


………ん?

あそこが旭の部屋ってことは、その向かい側は陽の部屋か?

だとしたらお父さんとお母さんの部屋はその隣り?


わからん。


人が違えば部屋の使い方も分け方も違うんだなぁ…



そういえば陽はもう帰ってきてんのかな?

ウチらより先に帰ってはいたけど…


出来たら会いたくねぇ~!




しばらくすると旭が何種類もの参考書と単語カードを抱えて部屋から出てきた。



「お待たせー。コレ、ぜーんぶ使っていいから☆」


「ぜ、全部!?」



こんなにいらないし!どんだけ参考書あんだよ!



「あの…いっぱい持ってこられてもですね…どれから使えばいーのかわかんないんですが…」


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