ふたご王子に恋をした
旭はそう言うと、近くにあった分厚い英文の本を読み始めた。


「…それ、全部英語だよね?」


「そうだよ☆」


「読めるの!?」


「うん、おもしろいよ♪外国の本は翻訳されてないほうがおもしろいからね。」


「あ、そう……」



何者この人!!


英文をサラリとまるで日本語と同じ感覚で読んでる!ありえない!


いくら留学したことあるからって、こんなに出来るもんなの!?


もー平凡以下のあたしとは頭の作りが違うんだろうね。


認めたくないけど…


この人スゴい!


まさしく“才色兼備”


これで中身も完璧ならあたしの理想そのものだったのになー…



「はあああ…」



あたしは大きくため息をつき、ガックリ肩を落とした。


「どうかした?」


「別に…なんでもなーい。」


頬杖をつきながらまた単語をルーズリーフに書き写していく。



「…そういえば、陽は?帰ってきてんの?」


「いや、まだみたい。どっか寄り道でもしてるんじゃない?」


「ふーん。」


「なに?ヒナのこと気になる?」


「な!なってないし!ただ聞いただけ!」



なんであたしがっ!!冗談でもやめてくれ!
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