ふたご王子に恋をした
「だってちょうどいい場所がウチしかなかったんだもん。しゃーねーじゃん。つか、ヒナは数学担当だから☆」


「……まさか、それ、俺がコイツに数学を教えろってこと?」


「そ☆ヒナ俺より数学得意でしょ?」


「だからってなんで俺がこんな救いようのないヤツに教えなきゃなんねーんだよ。」


おいおい、
陽くん。

言い過ぎじゃない?



「いーじゃん。どーせヒマなんだから。頼む!教えてくれたら、来週の買い物と洗濯当番変わるから!」



旭は手をパチンと合わせて陽にお願いした。


市瀬家は当番制なのか…エラいな。



「……わかったよ。約束は守れよ。」


「それって教えてくれるってこと!?」


「…そう。」


「わーいッ☆ヨカッタね、麻衣♪」



どさくさに紛れて抱き付こうとする旭を手で押し退ける。


陽はムスッとしたままあがると、自分の部屋らしき場所に直行した。



てゆーか…


「あんなに嫌がってたのに、どういう風の吹き回し!?」


なんか怖くなってきた!



「ま、口は悪いケド根はイイヤツだから☆」


全くそう見えないけど!


こうして数学も教えてもらうことになったのだが…

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