ふたご王子に恋をした
「アイツどこ行ったの!?」


「洗濯干しに行ったよ。」


「洗濯!?」



アイツが洗濯!?
世界一似合わない光景ですけど!


「ウチ洗濯は週で交代制だから。今週はヒナの番なの☆」


「へぇ~…エラいね。ウチなんかお母さんに任せきりだよ。」


「…ウチはやってくれる人がいないからね。」


「え?」



それってどういう……



「ふわぁ…なんか眠たくなってきたー。麻衣、一緒に寝よーよ☆」


「寝るか変態!」


「じゃあせめてチューを……」


「それ以上しゃべるな!」


「どわあっ!」



近くにあったクッションを旭の顔めがけて投げ飛ばす!


やっぱコイツ、ただのエロ人間だわ!



「あ!てめぇ、のんきに遊んでんじゃねーよ!」


「うぎゃあ!」


乾いて丸められた靴下が豪速球で飛んでくるとあたしの頭に直撃した。


こっちはただのエロだし、あっちは暴力的だし、なんなんだこの双子はっっ!!





――――――――――

「つ、疲れた…」


普段使わない頭をフル回転させ、気付けば時刻は夜の8時を回っていた。

玄関に座りこんでローファーを履く。

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