少年探偵室
Ⅰ
①
パシャパシャパシャッ!!
「榊さんっ!!今回の事件の真相はどうだったんですかっ!!?なぜ川島が容疑者だと分かったんですかっ!?」
「榊さん!どうなんですか??」
激しいマスコミの嵐の中を、スタスタと歩く人影があった。
榊 希鳥-sakaki kitori-
整った顔立ちに、切れ長の鋭い目。
世の中は彼をこう呼んだ。
「世界の救済者」
職業、探偵。
探偵において、彼に右に出る者はほとんどいない。
榊がマスコミを抜け、タクシーに乗り込んだ後、その後を追うように二人の少年少女が建物から出てきた。
「こっ子供!?」
「なぜ子供がこんなところにいるのですか!?」
「こら!」
少年の方はマスコミのことなど全く気にせず、榊のようにスタスタと歩いたが、少女の方は申し訳ないというようにおどおどと歩いていた。
少年の方の名前は、
沖田 光-okita kou-
中学二年生で、学力はトップクラス。
容姿といえば彼の右にでる美少年はいないだろう。
すっと通った鼻筋。
少しつり上がった大きな目。
身長はやや小さめだが、その姿は偉大さを感じる。