LEGENDofblood
2
―――バタン
静けさが漂う、深夜2時。
いつもの薄暗い駐車場。
私は車から降りると、ふと目に入った夜空を見上げた。
包み込む闇。
瞬く星。
照らし出す月。
「…き、れい」
小さく呟いた言葉は、夜空に溶け込む。
―――どれくらい、時間が過ぎただろうか。
ふと気付いた私は、急いで携帯電話を見た。
「…2時40分……」
40分間も夜空を見上げていた。
現実逃避でもしていたのか。
前世の記憶からなのか。
「―――ありえない、んだけど…!」
私は焦る気持ちで、家路を進んだ。
明日こそ…
絶対、遅刻でクビかも…
―――ふわり
心地よい夜風が頬を擽る。
月光に照らされた、長い髪が靡く。
そんな夜空下。
ヨゾラシタ