倫の実話怪談語り


兄の同僚の話



Aさんはその日残業をして


家についたのが23時をすぎていた


家について洗面所で顔を洗っていると


足元で子供がじゃれるように走りまわっている


こんな夜遅いのに
まだ寝ていないのか


そう思い、顔を拭いてあたりを見渡したが


子供はいない


洗面所を出ると奥さんが寝室から眠い顔ででてきたところだったので


「こんな時間なのにまだ寝かせていないのか」


と少し怒って言った


すると奥さんはキョトンとして


2時間前には寝ていた、という


じゃあさっきの気配は何なんだ、と不思議に思っていると


奥さんが息を飲んで指差した


2人から少し離れて見知らぬ子供が立っていた


その子は何日たっても家にいた


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