倫の実話怪談語り
火の玉
母がまだ幼い頃
夕方頃家の裏で友達と
遊んでいた
ふと上を見上げた友達が
「あ、火の玉がおばちゃんちからでてきた」
と叫んだ
見ると
本当に漫画で見るような
青白い丸い炎から尾ひれが生えたようなものが
すうっと
空を横切っていった
慌てて家に帰って
「お母さん、今火の玉見たよ!」
と言うと
「今、裏のおばちゃんが亡くなりはったんよ、着替えて支度しないと」
と言って話をきいてくれなかった
今でも母は
その時の光景をしっかりと覚えている