君はまた僕を好きになる。
「聖美、しつこいって言っただろう。
悪いけど、俺、これから、コイツと用があるから」
そう言って、あたしを抱き寄せた。
「ちょっと!?敦史…」
「敦史。あたし…あなたが好き…」
ウ…ソ…?
ズキン…って心が痛んだ…
こんな綺麗な人から、こんなに瞳ウルウルさせて
しかも、こんな大勢の人達の前で告白されたら、普通は即OK…
「ねぇ~聞こえた?あたし…あなたが…」
本気なんだ…
この人…
本気で…敦史の事…
あんなに綺麗なのに手がブルブル震えてる…
「悪いけど、俺、お前の事、好きじゃない。」
「えっ…?」
彼女の体が、心が
一瞬に固まったのを感じた…
「悪いけど、俺、急いでいるから。
もう、行くな。
きょうは、久しぶりに会えて良かったよ。
俺なんかトット早く忘れて、もっといい男見つけろよ。
お前みたいな美人なら
俺より、もっといい男がピッタリだと想うぜ。」
そう彼女に言い残して、敦史は、あたしの手をギュッと握りしめたまま
ザワツク人混みを掻き分けてグングンと突き進んだ。