君はまた僕を好きになる。


あの後

2人でタクシーに乗りアパートまで帰ってきたあたし達。


部屋に着くと、早速ケーキを冷蔵庫の中に入れた敦史は、そのままゴソゴソと冷蔵庫の中から食材を取り出しながら


「きょうは、俺が美味いの作ってあげるから、優香はゆっくりテレビでも観ておけ」と背を向けたまま言った。



敦史は、料理も上手だ。


普段は、あたしが晩御飯を作る事が多いけど、レパートリーは少なくて

カレーやシチュー、ポトフに時々、肉じゃがや唐揚げとか


簡単にできる料理しか作らない。

それでも、敦史は何も文句を言わずに、たまに味付けが濃くなってしまった肉じゃがも

黙って全部食べてくれる。

一度、敦史が作ってくれた肉じゃがを食べたら、ジャガイモが凄くホクホクしていて、丁度いい甘さが残る味付けで

あたしの料理下手さが余計に感じて落ち込んでいたら


「気にする事ないって。作り方ちゃんと覚えてたんだから

それだけでも良しとしようぜ」って敦史なりのやり方で慰めてくれた。





< 131 / 353 >

この作品をシェア

pagetop