君はまた僕を好きになる。

「何も手伝わなくていい」と言われて

キッチンから追い出されたあたし。


何もする事なくて

ソファに座って
料理を作る敦史の背中を見つめた。



その時

また…

頭の中で
ある光景が浮かんだ。



それは
今、見ている光景と同じ…



キッチンで料理をしているあの時見た時と同じ敦史の顔と


変わらない
広く、大きな背中…



その背中に抱きつく…


あた…し…?




なに?


なんなの?



この感じ…


これは…
あたしの記憶…なの…?




頭の奥が

まるでカナヅチでガンガン殴られるような感じがして


思わず左手で左の後頭部を押さえながら、目を閉じて下を向いていたら



「優香?大丈夫か!?」



目を開けたら、心配そうな顔の敦史が真っ直ぐ、あたしを見ていた…




そして…
あたしの口から
飛び出してきた言葉は


敦史ではなくて…




「あっ…ちゃん…。」



だった…。






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