君はまた僕を好きになる。
「幸雄さん…実は…」
「あぁ…どうした?何があったんだ?」
「優香は…
記憶をなくしているんです。」
「───…えっ!?優香ちゃんが……!?」
「はい。」
「……何も…覚えていないのか…?」
「──…はい。何も…覚えていないんです…。」
「施設で、俺に最後に会った事を覚えていないだけじゃないのか?」
「違うんです…。
優香は…自分が施設で育った事も…
俺や…幸雄さんや…みんなと過ごした事も…全部…忘れてしまったんです…」
「───…冗談だろう…?
俺だけじゃなく…
お前の事まで忘れちまったのか…?
そんな…馬鹿な話があるかよ…
お前…偶然久しぶりに会ったあの日…
俺に優香と結婚するって…そう嬉しそうに話してくれたじゃないか…!?」
「幸雄さん…」