君はまた僕を好きになる。
「そうなんだ──本当に──ごめん──」
「あぁ、大丈夫。気にしないでください。」
「だが──」
同じ施設で育った子供達は、いわば兄弟みたいなもの。
それを覚えてないじゃ、余りにも申し訳なさすぎる──。
「本当に─ごめん」
「いいですって──あたし、存在感なかったし。いつも怯えてて、1人が好きだったし──それに、あたしが施設にいたのも、ほんの半年ぐらいだったから──
だから、覚えてないのも仕方ないんです。」
「そう──だったんだ─…」
「はい──あたしが、施設に預けられていたのは、5歳の夏からの半年間で…
あたしの両親は──…生まれて間もなく離婚して─…
あたしは母に育てられたんですけど──母は、一度も、あたしの事を愛してくれなかった──…」