君はまた僕を好きになる。

「───あたしが施設に入って、半年が過ぎた頃にね─…

あたしは、子供がいない親戚の家に預ける事になったの。


その時ね、直人くんが、これをくれたんだ──」



そう言って、愛理ちゃんがポケットから取り出し、見せてくれたのは、四つ葉のクローバーの絵が描いてある古い絵葉書。


そして、そこには、子供の文字で



『あいりちゃんが、幸せになれますように』



と書いてあった─…。



「これ…直人くんが─…?」




コクン…と小さく頷くと、涙をポロポロ零して



「直人くんは─…あたしの心を救ってくれた、優しい人なの─…


だから、お願いします─…直人くんの事─…もう…許してあげてください─…」


と頭を下げた。




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