君と愛を
「愛ちゃん‥やっと会えたな」
目を穏やかにさせて、浩太が私を見下ろした。
「あー!もう私見下ろされちゃってるじゃん!」
「ははっ!愛ちゃん、小さなったなぁ!」
「ばか!」
「ふふふ‥」
懐かしい笑顔に、私はときめく。
‥分かった!!
さっきのきゅんっは浩太がこーただからだ!
やっと分かった〜。
「ほな、愛ちゃん着いたで。はいろ?」
「うん!」
目の前には少し色あせたお店。
のれんが使い古されてる感じ。
「おばちゃーん焼いてやー」
「おぉ浩太やないの!‥あれ?彼女ぉ?」
かっぽうぎを着たおばちゃんが、私を見てニヤッとする。
「ち、ちゃうわ!」
「偉い可愛い子やないの〜♪」
可愛い?えへ
「この子はな?いとこ!」
浩太が私の後ろにまわって、肩をぽんと叩いた。
「はじめまして」
私が軽く会釈すると、おばちゃんは「美味しく作るからなぁ」って微笑んだ。