道のない甲子園
地図によると、学生寮が4つあるようだった。
俺は入学書類を見て、自分の寮に入った。
入り口の近くにある"寮管理室"と書かれている部屋をノックした。
「は-い。どうぞ-」
「…失礼します」
俺は恐る恐る中に入った。
「あら。見ない顔ね。誰かの彼女?」
えっ……!!!
この人…
まさか………。
「…いえ…」
私…俺は動揺しきっていて、言葉が浮かんでこなかった―――‥。
「…あぁ!!転校生の子でしょ。
ごめんなさいね。顔があんまりにも綺麗だから、女の子だと思っちゃったわ」
綺麗……。
自分の顔がみるみる赤くなっていくのがわかった。
「…今日からお世話になる武内です」
「武内くんね。よろしくね♪
あなたの部屋は…205号室ね。荷物は…もう届いてるし…。
後はこの本見てもわからない事が有ったら言って」
「はい。よろしくお願いします」
「それじゃ。またね♪」
「失礼します」
俺は管理室を出て、自分の部屋に向かった。