道のない甲子園
転校生が珍しいのか…?
俺は視線を無視して、食事を貰い席についた。
後ろから「初めましてだよね?」と話し掛けられた。
「あ、はい…」
「前、座っていい?」
「はい。どぞ」
背の高い茶髪の男だった。
「君が噂の帰国子女?」
「…そうっすけど」
「あぁ。俺は2年の裕太。真柴 裕太(マシバ ユウタ)」
真柴さんは俺の顔を見て察したのか、自己紹介を始めた。
「野球部で今はポジションはセカンド。寮は4棟」
「(今は…?)
俺は海です。寮は3棟です」
「3棟って事は…勉強出来んだね」
「…へ?」
俺には話の意味がわからなかった。