道のない甲子園
グランドには、今野監督がもう来ていた。
「…意外に早かったな」
「よろしくお願いします」
「ポジションは…」
「ピッチャーです」
「それは昨日聞いた。
投手は良いのが居るから、セカンドのテストをする。」
…入部したら投手になってやる。
「まず、バッティング見るから。
マシーンは130ぐらいで良いか?」
130…ナメられてる。
「130なら変化ありですよね?」
「最初は、真っ直ぐのみだ」
「…お願いします」
監督はマシーンに球を入れた。
"シュッ"
"ザッ、カキーン"
"ガシャン"
打った打球はセンター方向に飛び、フェンスを越えて柵に当たった。
「………」
「もう少し速「次はレフト線にヒットの当たりを打て」
「…はい」
レフトの後はライト、ライトの後はセンターに打たされた。
サンフランシスコでの練習と同じようなもので、俺にはどうってことなかった。
「よし、次は守備を見る。
ノックするから捕って、指定された塁にあるネットに入れろ」
「はい」