道のない甲子園
別れ
カキーンッ
「お兄ちゃんがんばってぇ」
兄が私の声に反応し
帽子を被り直す―――
その姿が好きだった…
この時兄は高校2年生だった…
私が野球を始めて4年目の夏
兄は甲子園への道を手に入れた。
その帰り道――――‥。
兄は事故に遭い
他界した……。
兄の最後の想い―――。
『海…お前なら甲…子園に行ける…。頑張れ、よ』
8歳だった私には、大好きな兄の存在は大きく
亡くすには早すぎた―――‥。