道のない甲子園
ここの野球部の生徒は、この人と野球がやりたくて来たのかもしれない。
「…よし。これくらいで良いだろう。
海の球を捕るには、裕太は今より技術を上げないとならないな…。
捕手が海の球に付いていければ、間違いなく打たれないだろう」
「…はい。あのスライダーに付いていくことができれば…。必ず行けますね」
「海、さっきのが本気の球か…?」
本気……。
「打者が立っていたり、試合の流れでかなり変わります」
「……土日のどちらかに紅白戦を行おう。お前の捕手は俺がやろう」
「はい」
紅白戦……。
このチームの事を把握する機会に相応しいかもしれない。
その後の部活は投球練習の後、連携プレーの練習、空いてしまったセカンドの適正試験をした。