道のない甲子園
俺は監督を帽子で見えないように睨んだ。
「…わかりました」
「何か言いたそうだな…」
あなたがそれを聞きますか…。
「三振を取るななんて、俺にとってはフラストレーションの溜まる試合でしかないですよ」
「前の日にたくさんとって我慢しろ。この事は俺から裕太に伝えておく」
監督はスパッと言い放った。
「…お願いします」
監督は最後の俺の言葉を背中で聞き、片手を挙げて、練習場から出ていった。
俺は視線を窓の外に移した。
もう誰も居なさそうだな。
そろそろ片付けするか…。