道のない甲子園
父と母の会話が耳に入ってこないくらい、私は動揺していた…。
私は自分の部屋まで走った。
女の子は…私は…甲子園に行けないの???
ねぇ………
教えてよ…
お兄ちゃん……
返ってくるはずのない声に…
私はすがった。
私は声を押し殺して泣き続けた。
次の日もいつもの時間に目が覚め、いつものように練習をしていた。
リトルの練習に参加した私は、昨日の母の言葉が事実だと目の当たりする事になった…。
同じリトルに所属している
小学5年生の志歩ちゃんは凄く野球が上手い。
小学4年生の私を含めた子達なんか比べものにならないと思う。
その子が今度の大会のメンバーから外れていた…。