道のない甲子園


その時の監督の言い分はこうだった…。

「シニアの監督から…女の子は入れるつもりないから、他の子供たちに試合経験を積ませてくれと…」

志歩ちゃんは涙を堪えながら
「わかりました。でも私はリトル辞めません。それぐらい女の子の私でも許されてますよね」
と言った…。

私も泣きたくなったが志歩ちゃんが泣いていないのに、泣くわけにはいかないと思った。


志歩ちゃんはそんな私に気付いたのか、私のところに近付いて来る。



「…ごめんね。海は負けないでね」
私の頭に手をのせ、笑顔だった。

私にはその笑顔が泣いているようにしか見えず、頷く事しかできなかった。


事実を知った私もリトルを辞めようとは思わなかった。

けど私はある決心をした――‥。



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