いちばんの星
ヴェルヌが大切にしてくれているのはわかる。
しかし、これだけ長い間ひとりでいればよくない考えが浮かんでしまうものだ。
「私なんかが…王妃になんてなれるのかしら…」
愛するヴェルヌとの結婚。
愛しい人との結婚ほど幸せなものはない。
しかし、いざそうなってみると、ミュリエルは身分の違いすぎる結婚の現実に押しつぶされそうになっていた。
このままじゃいけない…
そう思ったミュリエルは、公務をこなしているであろうヴェルヌの元へ向かうため部屋を出た。
長い廊下を歩いて公務室の目の前まで着いた時、扉を開けようとするミュリエルの耳にヴェルヌの大きな声が飛び込んできた。