いちばんの星
――――――
――バタンッ!!
勢いよく扉が開いた事で、中にいたラナは何事かと驚いた。
しかし、ミュリエルの姿を見ると少し安心したように微笑んだ。
「ミュリ…エル…?」
しかしすぐにミュリエルの様子がおかしい事に気づきそっと彼女の肩に手を伸ばす。
「らなぁ…」
それがきっかけだったかのように、ミュリエルの大きな瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちた。
「何があったの?ゆっくりでいいから話して?」
ミュリエルの肩を優しく抱きしめると、まるで幼い子どもに話しかけるように優しく語りかけた。
「わたしっ、ね…」――…
…――パァンッ!!
「あなたは…最低だわっ!!」
ヴェルヌは頬を抑えながら驚いたような顔でミュリエルを見つめた。
そんなヴェルヌを見てミュリエルははっと我に返り、何という事をしてしまったのだろうと背筋が凍りつく思いだった。
「もっ、申し訳ありませんでしたっ!」
やっとの思いでそれだけ言うと逃げるように部屋を飛び出してきてしまったのだ。