いちばんの星


――――――


その日ミュリエルは仕事が全く手に着かなかった。



とんでもない事をしてしまったという後悔と、いつ自分に罰が言い渡されるのかという恐怖で体が締め付けられる思いだった。



ラナもまたそんなミュリエルを心配し気にかけてくれた。



しかしミュリエルの心配をよそにその日の仕事は何事もなく終わり、ふたりは部屋へ戻った。



「どうして何も言われないのかしら…あんな事をしてしまったのに…」



落ち込むミュリエルをラナが優しく慰めていると突然ドアがノックされ、ミュリエルの体がビクリとはねた。



そんなミュリエルを気遣い初めはラナが扉に向かったが、



「ミュリエル…あなたに話があるそうよ…」



そうラナに言われ、ミュリエルはついにきたかと覚悟を決めドアへと向かった。



「はじめまして。私は大臣のザランと申します。今夜はあなたに伝えなければならない事があって参りました」



大臣という言葉に自分の処刑が間違いないと確信したミュリエルは「はい」と静かに目を閉じた。



「今晩からしばらくの間毎日、あなたに王のお供をお願いしたいのです」





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