いちばんの星
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「こくっ…おう…さま」
女はその瞳を涙で潤ませながら、そっと目の前の男へと手を伸ばす…
しかしその手は掴まれる事はなかった…
上着を羽織ると、男は隣の部屋のソファーでくつろいでいる女の隣に腰を下ろす。
女が酒の入ったグラスを渡すと、男はそれを一気に飲み干した。
「ねぇ…」
女がその美しくしなやかな指先で男の唇をなぞる…
そのままどちらからともなく自然に唇を重ねると、月明かりに照らされるふたりの影はひとつに重なった…
「ヴェルヌさまっ…」
――――――