いちばんの星
第三章 結ばれた思い
新たな出会い
それからというもの、ほぼ毎日のようにラナはミュリエルの元に訪れるようになった。
相変わらずミュリエルへの嫌がらせが止むことはなく、むしろまったくめげないミュリエルにエミリアの怒りは大きくなる一方だった。
「ミュリエル…もういい加減国王様へ会うのは止めた方がいいんじゃないかしら…」
ラナの言葉にミュリエルはその美しい瞳を伏せると、ゆっくりと話し始めた。
「私ね…初め国王様は最低な人だって思ってたわ。女の人をただの物みたいに思ってるって…
でも話してるうちにそう思うのには何か理由があるんじゃないかって思うようになったの」
「理由…?」
ミュリエルはコクリと頷いた。
冷たい瞳の中に隠れる、あなたの優しさを知ってしまった気がするから……
「だから私…国王様がそう思う理由を知りたいの。本当は…とても優しい方だって思うから」
ヴェルヌの話をするミュリエルを見て、ラナはミュリエルが使用人としてではなくひとりの女としてヴェルヌの事を思っているのだと感じた。
――自分がスティークを思うように…
「ミュリエルは国王様の事が好きなのね」
気が付けば、ラナはそう呟いていた。