いちばんの星
「俺とラナがいる…そんなにひとりでがんばらなくてもいいんだ…」
そんなスティークの言葉に、ミュリエルはポロポロと涙をこぼして泣いた。
そんなミュリエルの頭を優しく撫でるスティーク。
「スティークさま…」
「ん?」
「ラナの事を泣かせないでくださいね…」
―――――
ミュリエルの元から城へ戻る途中。
「スティーク様…」
話しかけたのはラナだった。
神妙な面もちで目の前に現れたラナにスティークは優しく微笑んだ。
「どうしたんだい?」
意を決したようにラナは話し始めた。
「スティーク様は…ミュリエルの事…」
「え?」
「あの…さっき、見てしまったんです…」
ラナはスティークがミュリエルを抱き締めるところを見ていたのだ。
そして感じていた。スティークがミュリエルに惹かれているのではないか、と…
「気持ちを…教えてください」
――あなたの口から、本当のことが聞きたい…
ふたりの間を、冷たい風が吹き抜けた……